制度改正

【人事担当者必読】技能実習制度が2027年4月廃止!新しい「育成就労制度」への移行準備と企業が知るべきポイント

2026/4/24
#技能実習制度#育成就労制度#外国人労働者#制度改正#人材確保
外国人技能実習制度が2027年4月1日に廃止され、「育成就労制度」に移行します。転職制限の緩和、対象分野の限定、賃金水準の向上など、企業の外国人労働者受け入れに大きな影響をもたらす変更点を詳しく解説します。

技能実習制度廃止の背景と新制度移行の概要

1993年から続いてきた外国人技能実習制度が、ついに転換点を迎えます。2027年4月1日をもって技能実習制度が廃止され、新たに「育成就労制度」がスタートします。

この制度変更の背景には、技能実習制度が抱えてきた深刻な問題があります。低賃金での労働、転職の自由が認められないことによる労働環境の悪化、さらには人権侵害といった課題が国内外から指摘されてきました。2023年末時点で技能実習生は約40.5万人、特定技能外国人は約21万人が在留しており、外国人労働者は日本の労働市場において重要な役割を担っています。

育成就労制度の主な変更点

制度目的の根本的な転換

最も大きな変化は、制度の目的です。従来の「国際貢献(技能移転)」から**「人材確保と人材育成」へと明確に方針転換**されます。これは、日本が外国人労働者を必要としている現実を正面から受け止めた政策転換といえるでしょう。

在留期間と転職制限の見直し

育成就労制度では、在留期間が従来の最長5年から原則3年以内に短縮されます。一方で、大きな改善点として、就労開始から1年以上経過し、一定の日本語能力を有する場合には転職(転籍)が可能になります。これまで原則として認められていなかった転職が条件付きで解禁されることで、外国人労働者の労働環境改善が期待されています。

対象分野の限定と特定技能制度との連携

対象分野は、従来の87職種159作業から大幅に縮小され、特定技能制度の特定産業分野に限定されます。これは3年間の育成就労終了後に特定技能1号への移行を前提としているためです。

現在の特定技能制度対象分野は以下の通りです:

  • 介護
  • ビルクリーニング
  • 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
  • 建設
  • 造船・舶用工業
  • 自動車整備
  • 航空
  • 宿泊
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業

企業が準備すべき具体的なポイント

賃金水準の見直し

新制度では賃金水準の向上が見込まれており、従来問題となっていた賃金不払いや低賃金の解決が図られる予定です。企業は現在の賃金体系を見直し、適切な水準での雇用条件を整備する必要があります。

教育・研修体制の強化

育成就労制度では、3年間の就労期間終了までに以下の目標達成が求められます:

  • 日本語能力試験A2相当の合格
  • 技能検定3級または特定技能1号評価試験の合格

これらの目標達成をサポートするため、企業は日本語教育や技能向上のための研修体制を整備することが重要です。

転職リスクへの対応策

転職が条件付きで可能になることで、企業は優秀な人材の流出リスクに直面します。これに対応するため、以下の取り組みが推奨されます:

  • 労働環境の改善と働きやすい職場づくり
  • 適切な賃金水準の確保
  • キャリアパスの明確化
  • コミュニケーション環境の整備

移行スケジュールと準備期間

2027年4月1日の制度施行後も、約3年間(2030年頃まで)は移行期間として技能実習制度と育成就労制度が併存します。この期間を活用して、段階的な移行準備を進めることが可能です。

2024年6月14日に関連法案が国会で可決・成立し、6月21日に公布されました。また、2026年4月6日には出入国在留管理庁から育成就労制度運用要領の一部改正が発表されており、詳細な運用方針が徐々に明らかになっています。

新たな監理体制「外国人育成就労機構」

新制度では「外国人育成就労機構」が監理役を担い、外国人労働者の保護強化を図ります。これまでの監理団体制度から、より統一的で効果的な監督体制への転換が予定されています。

人事担当者への実践的アドバイス

早期の情報収集と準備開始

制度移行まで時間があるものの、準備には相当な期間が必要です。自社の事業分野が新制度の対象となるかを確認し、必要に応じて特定技能制度への移行も検討しましょう。

社内体制の整備

外国人労働者の受け入れ・育成体制の見直し、日本語教育支援の仕組み作り、適切な労働条件の設定など、包括的な準備が必要です。

継続的な情報アップデート

制度の詳細は今後も順次発表される予定です。厚生労働省や出入国在留管理庁からの最新情報を定期的にチェックし、社内の準備状況を随時見直すことが重要です。

外国人労働者の受け入れは、今後ますます日本企業にとって重要な人材戦略となります。新制度への適切な準備を通じて、持続可能な外国人雇用体制を構築していきましょう。