制度改正

技能実習制度が「育成就労制度」へ大変革!2027年施行予定の改正内容と人事担当者が今すべき準備

2026/4/10
#技能実習制度#育成就労制度#外国人雇用#制度改正#人材戦略
2024年6月に改正法が成立し、技能実習制度は2027年4月頃から「育成就労制度」へ移行予定です。転職制限緩和や賃金不払い対策など、企業の外国人材採用に大きな影響を与える変更点と準備すべきポイントを解説します。

技能実習制度の大転換が決定

外国人技能実習制度に大きな転換点が訪れています。2024年6月14日に国会で改正法が可決・成立し、現在の技能実習制度は**「育成就労制度」へと移行**することが決定しました。

現在、技能実習生は約47万人(2024年10月末時点)、特定技能外国人は約21万人が在留しており、多くの企業で貴重な戦力として活躍しています。この制度変更は、外国人材を雇用する企業の人事戦略に大きな影響を与える可能性があります。

新制度の概要と主要な変更点

制度の基本構造が変わる

従来の技能実習制度は「技術移転による国際貢献」を建前としていましたが、新しい育成就労制度では**「人材育成・確保」を明確な目的**とします。これにより、以下のような変化が生まれます:

  • 在留期間:原則3年以内(従来は最長5年)
  • 前提条件:特定技能への移行を前提とした制度設計
  • 目標設定:日本語能力試験A2相当の合格、技能検定3級または特定技能1号評価試験合格

労働環境の大幅改善

新制度では、従来の問題点を解決するため、以下の改善が図られます:

転職制限の緩和 就労開始から1年以上経過し、一定の日本語能力を満たした外国人材は、条件付きで転籍(転職)が可能となります。これは企業にとって人材流出リスクの一方で、より良い労働条件を提供することで優秀な人材を確保し続けるインセンティブとなります。

賃金不払い対策の強化 外国人が負担する費用に上限が設けられ、月給の2カ月分を超える負担を禁止します。また、外部監査が義務化され、労働条件の透明性が向上します。

キャリアパスの明確化 従来の「使い捨て」的な雇用から脱却し、長期雇用を前提とした明確なキャリアパスの提示が求められます。

移行スケジュールと準備期間

改正法は2027年4月頃の施行が予定されており、その後3年間(概ね2030年まで)は移行期間として、技能実習制度と育成就労制度が併存します。

2026年4月1日には「技能実習制度運用要領」と「特定技能外国人受入れに関する運用要領」の一部改正が予定されており、移行準備が本格化します。

受入れ見込みと対象分野

育成就労制度の受入れ上限は、特定技能1号と同様に分野ごとに設定される予定です。政府は2024年度から5年間で特定技能1号の上限を82万人と設定しており、外国人材への需要の高さが伺えます。

2025年12月時点では、有識者会議が特定技能への追加3分野と育成就労対象分野について検討を続けています。

人事担当者が今すべき準備

1. 現在の雇用体制の見直し

転職制限が緩和されることを踏まえ、以下の点を検討してください:

  • 賃金水準が同業他社と比較して適正か
  • 労働環境や福利厚生に改善の余地はないか
  • 外国人材のキャリア成長をサポートする仕組みがあるか

2. 日本語教育体制の強化

新制度では日本語能力試験A2相当の合格が目標とされます。社内での日本語研修制度の充実や、外部の日本語教育サービスの活用を検討することが重要です。

3. 長期雇用を前提とした人材戦略の策定

従来の短期的な労働力確保から、中長期的な人材育成・活用へと視点を転換する必要があります。特定技能への移行を見据えたキャリアパスの設計や、技能向上のための研修体制の整備を進めましょう。

4. コンプライアンス体制の強化

外部監査の義務化に備え、労働条件の文書化や、外国人材が負担する費用の明確化など、透明性の高い雇用管理体制を構築してください。

まとめ

技能実習制度から育成就労制度への移行は、単なる制度名の変更ではなく、外国人材雇用の根本的な考え方の転換を意味します。この変化を機に、より良い労働環境の提供と持続可能な外国人材活用戦略の構築を進めることが、企業の競争力向上につながるでしょう。

制度の詳細な運用要領は今後も更新される予定ですので、出入国在留管理庁や厚生労働省の最新情報を定期的にチェックし、適切な準備を進めることをお勧めします。