【2026年最新】外国人技能実習制度の完全廃止と育成就労制度への移行|人事担当者が今すぐ準備すべきこと
外国人技能実習制度の廃止スケジュールが確定
外国人技能実習制度について、2027年4月1日から新規申請が停止され、2030年3月31日をもって完全廃止されることが正式に決定されました。これは、長年指摘されてきた制度の課題を解決し、より実効性の高い外国人労働者受け入れ体制を構築するための大きな転換点となります。
現在技能実習生を受け入れている企業、または今後の受け入れを検討している企業の人事担当者の皆様にとって、この変更は採用戦略の根本的な見直しを迫るものです。早急な対応準備が必要な状況となっています。
技能実習制度の経過措置期間中に知っておくべきポイント
新規申請の締切について
2027年4月以降は技能実習の新規計画申請ができなくなるため、2027年3月31日までに計画認定を受ける必要があります。すでに認定を受けた計画に基づく実習生については、入国期限が原則2027年6月30日まで延長されています。
技能実習3号への移行条件
技能実習2号から3号への移行を予定している場合、2027年4月1日時点で2号の活動を1年以上継続していることが条件となります。この条件を満たさない実習生については、3号への移行ができませんので、該当する実習生がいる場合は早急にスケジュールを確認してください。
育成就労制度:技能実習に代わる新しい仕組み
制度の基本構造
2027年4月から開始される育成就労制度は、技能実習制度の課題を解決するために設計された新しい外国人労働者受け入れ制度です。3年間の「育成就労計画」を作成し、外国人育成就労機構による認定を受けることが必要となります。
対象分野の大幅な絞り込み
技能実習制度では90を超える分野が対象でしたが、育成就労制度では特定技能制度の16分野に原則一致するよう大幅に絞り込まれます。対象分野には介護、建設、製造業、農業、漁業などが含まれますが、現在技能実習生を受け入れている分野が対象外となる可能性もありますので、事前の確認が重要です。
労働者保護の強化措置
育成就労制度では、以下の保護強化措置が導入されます:
- 日本語能力A2相当以上の試験合格が入国要件
- 転籍制度の導入により、適正な労働環境への移動が可能
- 労働条件管理の厳格化
- より細かな監督体制の構築
これらの変更により、企業側にもより高い管理水準が求められることになります。
受け入れ規模の大幅拡大と新分野の追加
2028年度末の受け入れ上限
政府は2026年1月23日の閣議で、特定技能と育成就労を合わせた2028年度末の受け入れ上限を123万1,900人に設定しました。内訳は特定技能約80.6万人、育成就労約42.6万人となっており、これは現在の受け入れ数を大幅に上回る規模です。
特定技能の新分野追加
2025年12月の閣議決定により、リネンサプライ、物流倉庫、資源循環の3分野が特定技能の対象に新たに追加されました。これらの分野では2027年頃から運用開始予定で、技能実習2号修了者は評価試験が免除される可能性があります。
制度移行に向けて企業が準備すべき5つのアクション
1. 現在の受け入れ状況の総点検
現在受け入れている技能実習生の在留期間、技能レベル、今後のキャリアプランを整理し、育成就労制度や特定技能制度への移行可能性を検討してください。
2. 対象分野の確認と事業戦略の見直し
自社の事業が育成就労制度の対象16分野に含まれるかを確認し、対象外の場合は特定技能制度の活用や他の在留資格での受け入れを検討する必要があります。
3. 日本語教育体制の整備
育成就労制度では日本語能力A2相当以上が要件となるため、入国前後の日本語教育支援体制を整備することが重要です。
4. 労働条件管理体制の強化
新制度では労働条件管理がより厳格化されるため、適正な労働時間管理、賃金支払い、安全衛生管理の体制を見直し、必要に応じて強化してください。
5. 長期的な人材育成計画の策定
育成就労制度は特定技能への移行を前提としているため、3年間の育成プログラムと、その後の定着に向けたキャリアパスを明確に設計することが必要です。
まとめ:変化を機会として捉えた戦略的な取り組みを
外国人技能実習制度の廃止と育成就労制度への移行は、確かに企業にとって大きな変化となります。しかし、この変化は同時に、より安定的で持続可能な外国人材活用体制を構築する機会でもあります。
特に、従来の「帰国前提」から「定着促進」へとパラダイムが転換されることで、外国人材への投資効果がより長期的に回収できるようになります。また、労働者保護の強化により、企業の社会的責任を果たしながら、優秀な人材を安定的に確保できる環境が整備されます。
変化への対応は早めの準備が鍵となります。2027年4月の制度開始まで約1年となった今、自社の外国人材活用戦略を根本から見直し、新制度に適応した体制整備を進めることをお勧めします。