【2027年施行】外国人技能実習制度が廃止へ!新制度「育成就労制度」で企業が準備すべきこと
技能実習制度廃止が正式決定、2027年から新制度開始
2024年6月14日、国会で「出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律」が可決成立しました。これにより、現在の外国人技能実習制度は2027年4月1日から「育成就労制度」へ完全移行し、2030年までの移行期間を経て完全廃止されることが決定しています。
現在、技能実習生は令和6年10月末時点で約47万725人に上り、外国人労働者全体の約20%を占める重要な労働力となっています。この大幅な制度変更は、外国人労働者を雇用する企業にとって避けて通れない重要な課題です。
なぜ制度変更が必要になったのか
技能実習制度は開発途上国への技術移転を目的として導入されましたが、長年にわたって深刻な問題が指摘されてきました。主な問題点として、賃金不払い、監理団体の管理不透明性、過酷な労働条件などがあり、これらが社会課題として顕在化していました。
新制度では、従来の「国際貢献のための技術移転」という建前から脱却し、日本国内での人材育成と長期雇用を前提とした制度設計に変更されます。この変更により、より実態に即した外国人労働者の受け入れが可能になります。
新制度「育成就労制度」の主要な変更点
制度目的の根本的転換
- 従来:開発途上国への技術移転(国際貢献)
- 新制度:日本国内での人材育成・長期雇用(特定技能制度への移行を前提)
在留期間と転職制限の大幅緩和
従来の技能実習制度では原則として転職が禁止されていましたが、新制度では1年以上の就労経験と日本語能力要件を満たせば、本人の希望による転職が可能になります。在留期間は最大3年となり、終了後は特定技能在留資格への移行が可能です。
監督体制の強化
現在の「外国人技能実習機構」に代わり「外国人育成就労機構」が設立される予定です。外部監査の義務化、相談窓口の強化、日本語教育や生活支援の充実など、より手厚いサポート体制が構築されます。
対象職種の見直し
新制度では特定技能1号の対象となる16職種(建設業、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業など)を中心とした運用となり、一部の職種は対象外となる可能性があります。
企業が今から準備すべきこと
1. 受入体制の見直しと強化
新制度では受入計画の審査が厳格化され、優良基準も強化される見込みです。現在技能実習生を受け入れている企業は、労働環境の改善、適正な賃金支払いの徹底、日本語教育支援体制の整備を急ぐ必要があります。
2. 長期雇用を前提とした人材戦略の策定
新制度は3年間の育成期間を経て特定技能への移行を想定しているため、企業は長期的なキャリア支援を前提とした雇用計画を立てる必要があります。短期的な労働力確保ではなく、中長期的な人材育成投資として捉えることが重要です。
3. 転職リスクへの対応
転職制限が大幅に緩和されるため、優秀な外国人材の定着を図るには、競合他社以上の労働条件や職場環境の整備が必要になります。給与水準の見直し、職場でのコミュニケーション改善、キャリアアップの機会提供などを検討しましょう。
4. 日本語教育支援の充実
転職の要件として日本語能力が設定されるため、企業側も日本語学習支援を強化する必要があります。社内での日本語研修制度の導入や、外部の日本語教育機関との連携を検討することをお勧めします。
移行期間中の注意点
2027年4月の制度施行まで約2年半、完全移行まで約6年の期間があります。この間、現在の技能実習生への対応と新制度への準備を並行して進める必要があります。特に、送り出し国との協定整備や詳細な運用ルールは今後確定されるため、法務省・厚生労働省からの最新情報を定期的にチェックすることが重要です。
まとめ
外国人技能実習制度から育成就労制度への移行は、単なる制度名の変更ではなく、外国人労働者の受け入れに対する根本的な考え方の転換を意味しています。企業にとっては短期的には対応コストが発生しますが、長期的にはより安定した外国人材の確保と育成が可能になる制度設計となっています。
今後約2年半の準備期間を有効活用し、新制度に適応できる受入体制を整備することで、人材不足解消と企業の持続的成長を実現できるでしょう。最新の制度詳細については、引き続き政府からの公式発表を注視し、適切な準備を進めることをお勧めします。