技能実習生受け入れで成功した企業事例5選|人手不足解消から長期定着まで実現したポイントとは
技能実習生受け入れで大きな成果を上げる企業が増加中
深刻な人手不足に悩む日本企業において、技能実習生の受け入れは重要な解決策の一つとなっています。しかし、単に外国人材を受け入れるだけでは十分な効果は期待できません。成功している企業には、共通したノウハウと取り組みがあります。
今回は、製造業、建設業、介護業、飲食業における具体的な成功事例をもとに、技能実習生受け入れを成功に導くポイントをご紹介します。
製造業:2名から30名体制へ成長したフルヤ工業の取り組み
フルヤ工業株式会社(兵庫県篠山市)は、技能実習生受け入れの模範的な事例として注目されています。2003年にベトナム人技能実習生2名を受け入れたのが始まりで、現在では約30名の実習生が在籍する体制へと発展しました。
同社の成功の要因は、充実した支援体制にあります。週1回の日本語教室を開講し、技術習得だけでなく生活面でのサポートも手厚く行っています。この取り組みにより実習生の定着率が向上し、2017年には国内で確保困難だった金型技術者をベトナムから招聘するまでに発展しています。
技能実習制度を足がかりに、より高度な外国人材の受け入れにステップアップした好例といえるでしょう。
製造業:60名の特定技能外国人が活躍する株式会社シラカワ
株式会社シラカワ(岐阜県加茂郡)は、フィリピンとタイ出身の特定技能外国人60名を雇用し、人手不足の抜本的解決に成功しています。
注目すべきは、技能実習から特定技能へのキャリアパス構築により、長期的な人材確保を実現している点です。複数の外国人スタッフが結婚・妊娠するなど、単なる労働力としてではなく、地域に根ざした人材として定着していることが特徴的です。
特定技能制度とは、2019年に創設された在留資格で、技能実習を修了した外国人がより長期間(最長5年)日本で働くことができる制度です。
建設業:20年以上の実績を持つ株式会社東京志村
株式会社東京志村(千葉県習志野市)は、1996年という早い段階から外国人材の受け入れを開始した先駆的企業です。現在では社員20名中8名が中国出身で、技能実習生と特定技能人材が共に現場で活躍しています。
建設業界は特に人手不足が深刻な業界ですが、同社は長年にわたる外国人材との信頼関係構築により、安定した事業運営を実現しています。長期間の受け入れ実績があることで、外国人材の職場定着率も高く、技能伝承も円滑に進んでいます。
介護業:制度創設直後から取り組むベネッセスタイルケア
株式会社ベネッセスタイルケアは、2019年の特定技能制度創設直後から積極的に外国人材の採用をスタートし、介護分野の人材不足に対応しています。
介護業界は特に人材不足が深刻で、2025年には約32万人の介護人材が不足すると予測されています。同社のように早期から制度を活用することで、安定した人材確保と質の高いサービス提供を両立している事例として参考になります。
飲食業:3名のベトナム人留学生から始まった成功事例
株式会社グラッド(兵庫県尼崎市)は、2019年に初めてベトナム人留学生3名をアルバイトとして採用しました。接客経験がない状態からのスタートでしたが、笑顔と前向きな姿勢が評価され、現在では重要な戦力として活躍しています。
飲食業界では、言語の壁や文化の違いが課題となることが多いものの、適切な指導と相互理解により、大きな成果を上げることができる好例です。
成功企業に共通する3つのポイント
1. 日本語教育と生活支援の充実
成功している企業の多くは、技術指導だけでなく日本語教育と生活面のサポートを重視しています。フルヤ工業のように週1回の日本語教室を開講するなど、組織的な取り組みが効果的です。
2. 技能実習から特定技能へのキャリアパス構築
技能実習修了後も継続して働けるよう、特定技能制度への移行支援を行うことで、長期的な人材確保が可能になります。株式会社シラカワの事例のように、結婚・妊娠などライフイベントを経ても働き続けられる環境整備が重要です。
3. 職場での信頼関係構築
外国人材を単なる労働力として扱うのではなく、チームの一員として受け入れ、相互理解を深めることが成功の鍵となります。文化の違いを理解し、コミュニケーションを大切にする姿勢が欠かせません。
人事担当者が今すぐ取り組むべきこと
技能実習生受け入れを成功させるために、人事担当者は以下の点を検討することをお勧めします。
- 受け入れ前の社内体制整備(日本語教育、生活支援、指導者育成)
- 技能実習から特定技能への移行を見据えた中長期的な採用計画の策定
- 外国人材との信頼関係構築のための研修プログラムの導入
- 地域の監理団体や支援機関との連携強化
技能実習生の受け入れは、適切な準備と継続的な支援により、企業にとって大きな財産となります。今回ご紹介した成功事例を参考に、自社に最適な受け入れ体制の構築を検討してみてください。