事例紹介

技能実習生受け入れ企業の成功事例から学ぶ、人材定着と戦力化のポイント

2026/6/3
#技能実習生#成功事例#人材定着#日本語支援#外国人雇用
技能実習生の受け入れに成功している企業の共通点は、日本語支援の社内組み込み、段階的な業務拡大、帰国後の人材活用にあります。フルヤ工業や東京志村などの具体的な成功事例を通じて、効果的な受け入れ体制のポイントを解説します。

技能実習生受け入れの成功企業に共通する特徴とは

技能実習生の受け入れを成功させている企業には、いくつかの共通点があります。最も重要なのは、受け入れ人数の拡大、定着率の向上、日本語・技術の育成、帰国後のネットワーク活用という4つの観点で成果を上げていることです。

成功企業の多くは、単に労働力の確保だけでなく、技能実習生を将来の戦力として育成し、長期的な視点で人材活用を行っています。これにより、一時的な人手不足の解消にとどまらず、企業の成長につながる持続可能な体制を構築しているのです。

代表的な成功事例から見る効果的な取り組み

フルヤ工業株式会社:段階的な受け入れ拡大で組織力強化

フルヤ工業株式会社は、2003年にベトナム人技能実習生2名の受け入れを開始しました。ノウハウがない状態からスタートしたものの、段階的に受け入れ体制を整備し、2008年にはコミュニケーション支援のためベトナム人技術者を正社員として採用。さらに2017年には高度人材の採用にまで発展させています。

この事例のポイントは、技能実習制度を入り口として、特定技能や高度人材まで含めた包括的な外国人材活用戦略を構築したことです。

株式会社東京志村:外国人材が職場の主力として定着

株式会社東京志村では、外国人受け入れを早期に開始し、現在は社員20名中8名が中国出身となっています。技能実習生と特定技能人材がともに活躍しており、外国人材が職場の戦力として完全に定着している典型的な成功事例です。

全社員の4割を外国人材が占める同社の取り組みは、外国人材を「補助的な労働力」ではなく「企業の中核人材」として位置づける重要性を示しています。

学研ココファン:段階的な業務拡大でモチベーション向上

学研ココファンでは、ベトナム人留学生の受け入れにあたり、当初は業務を限定しつつ、本人の成長に合わせて徐々に仕事の幅を広げました。この取り組みにより、本人のモチベーション向上と離職率低下を同時に実現しています。

有限会社高儀農場:技能実習修了生の継続雇用で売上増加

農業分野では、有限会社高儀農場が技能実習修了生を雇用し、繁忙期の作業や出荷段取りの人手不足を補完することで、売上増加につなげた事例があります。技能実習期間中に培った技術力と日本語能力を活かし、即戦力として活躍している好例です。

成功企業に共通する5つのポイント

成功事例を分析すると、以下の5つのポイントが浮かび上がります。

1. 日本語支援を社内システムに組み込む

茨城県外国人材支援センターの事例集では、日本語eラーニングや日本語教師による伴走支援を導入し、技能実習生を日本語能力試験N2合格まで導いた企業が紹介されています。日本語能力の向上は、業務遂行能力の向上と直結するため、多くの成功企業で重点的に取り組まれています。

2. 業務を段階的に拡大する

一度に多くの業務を任せるのではなく、技能実習生の習熟度に合わせて段階的に業務範囲を広げることで、確実なスキルアップとモチベーション維持を両立させています。

3. 受け入れ前の準備を徹底する

成功企業では、受け入れ前に職場見学の機会を設けたり、制度への理解を深めるための説明会を実施したりしています。事前の準備が、その後の円滑な受け入れにつながっています。

4. 実習生の将来像を含めた雇用設計

技能実習期間だけでなく、特定技能への移行や帰国後のキャリアまで見据えた雇用設計を行うことで、技能実習生のモチベーション向上と企業への貢献意欲を高めています。

5. 帰国後の人材活用や海外展開への活用

近畿経済産業局の事例集に掲載されている株式会社朝日工業、有限会社新栄精器、フジ矢株式会社などでは、技能実習修了生との関係を帰国後も継続し、海外拠点展開や現地パートナーとしての活用を進めています。

人事担当者が今すぐ実践できる取り組み

技能実習生の受け入れを成功させるために、人事担当者が今すぐ始められる取り組みをご紹介します。

  1. 日本語学習支援体制の整備:社内での日本語教育プログラムの導入や、外部の日本語教育サービスとの連携を検討しましょう。

  2. メンター制度の導入:先輩社員がメンターとなり、業務指導と生活支援の両面でサポートする体制を構築してください。

  3. 定期的な面談の実施:技能実習生との定期面談を通じて、悩みや要望を把握し、早期の課題解決を図りましょう。

  4. キャリアパスの明示:技能実習から特定技能への移行可能性や、将来のキャリア展望を明確に示すことで、長期的なモチベーション維持を図ってください。

まとめ

技能実習生の受け入れ成功事例から分かることは、単なる労働力確保ではなく、企業の将来を担う人材として技能実習生を位置づけることの重要性です。日本語支援、段階的な業務拡大、長期的なキャリア設計などの取り組みを通じて、技能実習生と企業の双方にとってメリットのある関係を築くことが、真の成功につながるのです。

人材不足が深刻化する中、技能実習制度を効果的に活用することで、企業の持続的な成長を実現していきましょう。