【2027年開始】外国人技能実習制度から育成就労制度への移行で何が変わる?人事担当者が知っておくべき最新動向
外国人技能実習制度の大転換期が到来
外国人技能実習制度をめぐる環境が大きく変化しています。現在技能実習生を雇用されている企業、または今後の雇用を検討されている人事担当者の皆様にとって、2027年4月1日からの制度移行は避けて通れない重要な変更となります。
現在の技能実習制度は2026年時点で47万725人の技能実習生が在籍しており、前年比14.1%増と拡大を続けています。しかし、この制度は2027年に完全に新しい「育成就労制度」へと生まれ変わることが決定されています。
育成就労制度の主要な変更点
在留期間と制度設計の変化
新しい育成就労制度では、3年間の育成就労計画に基づいて人材育成を実施することになります。従来の技能実習制度と大きく異なる点は、育成就労修了後の特定技能制度への移行が明確な方針として示されていることです。
これにより、企業側としては3年間で終了する一時的な労働力としてではなく、その後も継続的に雇用できる可能性のある人材として外国人労働者を位置付けることができるようになります。
対象分野の大幅な縮小
現在の技能実習制度では90以上の分野が対象となっていますが、育成就労制度では特定技能制度の16分野に原則として統一されます。これは企業にとって重要な変更点です。
現在技能実習生を雇用している企業は、自社の業務が新制度の対象分野に含まれるかどうかを早期に確認し、対象外となる場合は今後の人材確保戦略の見直しが必要になります。
労働者保護の強化が企業に与える影響
日本語能力要件の導入
育成就労制度では、A2相当以上の日本語能力試験合格が必須となります。A2レベルは「基本的な日常会話ができ、簡単な文章を理解できる」程度の能力です。
企業側としては、より高い日本語能力を持つ外国人労働者を受け入れることができる一方で、日本語学習支援体制の充実がより重要になります。入国前の日本語教育や、就労開始後の継続的な語学サポートを検討する必要があります。
転籍制度の導入による影響
最も大きな変更点の一つが、原則3年間の転職不可という制限の事実上の撤廃です。従来の技能実習制度では、実習生は原則として同一の受け入れ機関で3年間就労する必要がありましたが、育成就労制度では一定の条件下で転職が可能になります。
この変更は企業にとって二面性があります。優秀な人材を他社に流出させるリスクが高まる一方で、労働条件や職場環境の改善により、より良い人材を確保・維持できる機会も生まれます。
労働条件管理の厳格化
育成就労制度では、育成就労計画と実際の労働実態との乖離がある場合、是正指導や認定取消しの対象となる可能性があります。これまで以上に計画的で透明性の高い人材育成プログラムの策定が求められます。
受け入れ規模と移行スケジュール
育成就労制度の開始となる2027年度から2年間の受け入れ上限は、約42万6千人とする素案が有識者会議で議論されています。現在の技能実習生数と比較すると、ほぼ同等の規模が維持される見通しです。
制度移行には3年間の移行期間が設けられるため、既存の技能実習生は段階的に新制度へ移行することになります。2027年4月の制度開始から2030年3月まで、新旧制度が並行して運用される期間があることを理解しておく必要があります。
人事担当者が今すぐ取り組むべきこと
1. 対象分野の確認と戦略見直し
自社の業務が新制度の16分野に含まれるかどうかを確認し、含まれない場合は代替的な人材確保策を検討してください。
2. 労働条件と職場環境の改善
転職制限の撤廃により、他社との競争が激化することを想定し、労働条件や職場環境の改善に取り組むことが重要です。
3. 日本語教育体制の整備
日本語能力要件の導入に備え、入国前後の日本語教育支援体制を整備することで、より優秀な人材の確保と定着につながります。
4. 育成計画の見直し
3年間の育成就労計画を策定する準備として、現在の技能実習計画を見直し、より体系的で実践的な人材育成プログラムの検討を始めてください。
まとめ
2027年の育成就労制度への移行は、外国人労働者を雇用する企業にとって大きな転換点となります。制度変更による制約もありますが、より長期的な人材確保と育成が可能になる機会でもあります。
早期の準備と対策により、新制度下でも安定的な外国人人材の確保と活用を実現することができます。制度移行まで残り1年余りとなった今、具体的な準備に着手することをお勧めします。