制度改正

【2027年開始】外国人技能実習制度から育成就労制度への移行|人事担当者が知るべき変更点と準備のポイント

2026/6/6
#技能実習制度#育成就労制度#制度改正#外国人雇用#人事管理
技能実習制度が2027年4月に育成就労制度へ移行します。転籍制限の緩和、制度目的の変更など、企業の受入れ実務に大きな影響を与える変更点を解説し、人事担当者が今から準備すべき対策をご紹介します。

制度移行の概要と基本的なスケジュール

外国人技能実習制度は2027年4月1日から「育成就労制度」へ発展的に解消されることが決定しています。2024年6月21日に改正法が公布され、関係省令・告示は2025年9月30日、関係政令は2025年10月1日に公布予定となっています。

現在の技能実習制度は、開発途上国等への技能移転を目的とする「国際貢献」として位置づけられていました。しかし、近年の人材確保ニーズや制度運用上の課題を受け、人材育成と人材確保を主目的とする新制度へと大幅に変更されます。

2023年末時点で、技能実習生の受入れは企業単独型が1.7%、団体監理型が98.3%となっており、令和6年10月末現在で約47万人の技能実習生が在籍しています。これらの方々の処遇にも関わる重要な制度変更となります。

企業の受入れ実務に与える主な影響

転籍(職場変更)制限の大幅緩和

最も重要な変更点は、転籍に関する制限の緩和です。従来の技能実習制度では、実習生の職場変更は非常に限定的でしたが、育成就労制度では一定条件の下で本人意思による転籍が認められる予定です。

この変更により、企業は従来以上に労働環境の整備や処遇改善に取り組む必要があります。優秀な人材の確保・定着のためには、競合他社と比較して魅力的な職場環境を提供することが重要になります。

制度目的の変更による運用の変化

制度目的が「技能移転中心」から「人材育成と人材確保」へ変更されることで、企業の役割も変化します。単なる技能の習得だけでなく、長期的な人材育成の視点が求められるようになります。

受入れ条件の拡充

優良な監理団体・実習実施者に対しては、実習期間の延長(3年から5年)、受入れ人数枠の拡大、対象職種の拡大などの拡充措置も検討されています。これにより、長期的な人材確保戦略を立てやすくなる可能性があります。

企業が今から準備すべき対策

1. 労働環境の見直しと改善

転籍制限の緩和を踏まえ、以下の点を重点的に見直すことをお勧めします:

  • 賃金水準の適正化と同業他社との比較検証
  • 労働時間や休日取得の適正管理
  • 職場でのコミュニケーション環境の改善
  • 安全衛生管理体制の強化

2. 日本語教育・支援体制の充実

制度目的が人材育成に重点を置くことから、日本語能力向上への支援がより重要になります。社内での日本語学習機会の提供や、外部の日本語教育サービスの活用を検討しましょう。

3. 長期的なキャリアパスの設計

育成就労制度では、より長期的な人材育成の視点が求められます。受入れ時から将来のキャリアパスを明示し、技能向上のための具体的な計画を策定することが重要です。

4. 適正化対策への対応強化

制度移行と並行して、失踪対策や通報・相談窓口の整備など、適正化のための対策も強化されています。コンプライアンス体制の見直しと、透明性の高い管理体制の構築を進めましょう。

移行期間中の注意点

現在は旧制度の技能実習と新制度への準備が並行して進む段階です。2025年から2027年にかけて、段階的に関係法令が整備されるため、最新情報の収集と対応準備を継続的に行う必要があります。

特に、現在技能実習生を受け入れている企業は、既存の実習生への対応と新制度への移行準備を同時に進める必要があります。監理団体との連携を密にし、移行スケジュールや手続きについて早めに確認することをお勧めします。

まとめ

外国人技能実習制度から育成就労制度への移行は、単なる名称変更ではなく、制度の根本的な見直しです。企業にとっては、より競争的な環境での人材確保と、長期的な人材育成への取り組みが求められるようになります。

早期から労働環境の改善、日本語教育支援の充実、適正な管理体制の構築に取り組むことで、新制度下でも優秀な人材を確保・定着させることが可能になります。2027年4月の本格施行に向けて、計画的な準備を進めていきましょう。